TVチャンピオン
TVチャンピオン「全国大工王選手権」優勝しました!
前回のリベンジ ~感動の優勝の道のり~
代表取締役の篠原純一です。
TVチャンピオン「全国大工王選手権」に2年連続出場、今回は念願の優勝を果たすことができました。(テレビ東京系 2006年6月22日放送)
TVチャンピオン「全国大工王選手権」のダイジェスト版はこちらです。
↓※音が出るのでご注意ください。
ご声援いただいた皆様、日ごろからご愛顧いただいている皆様、そして日々現場で汗を流して頑張ってくれている篠原工務店スタッフみんなのおかげです。 本当にありがとうございます。
昨年の第1回目の出場では惜しくも準優勝。 今年はそのリベンジをかけての戦いでもありました。
ここでは放送されなかった裏話も含めて、優勝までの道のりを再現します。
「リベンジの切符」
テレビ東京の番組制作スタッフの方から「TVチャンピオン・全国大工王選手権」の2回目の番組出演交渉の電話をいただいたのは平成18年4月。
惜しくも準優勝に終わった第1回目の放送がその2ヶ月前の2月。(前回現場写真+表彰式ガックリ写真)
その時の悔しさをまだまだ忘れられない私だけではなく篠原工務店のスタッフの誰もが、この申し出を断るはずもありませんでした。
今回のテーマは前回に引き続き「露天風呂付き離れの宿」。
収録が5月21日〜25日の5日間。
この5日間で「露天風呂付き離れの宿」を完成させるという普通では考えられないような過酷な短工期で完成させるルールです。
無謀な内容ですが、前回と同じテーマ、同じルールでやる以上、2回目は絶対に負けられない!、必ず優勝!という思いで取り組むことにしました。
「プロジェクト スタート!」
さっそくプロジェクトを社内で立ち上げました。 総指揮官はこの春、新しく社長に就任した私(篠原純一)、・・・のつもりでしたが、前回の準優勝で一番悔しがり、リベンジに熱く燃える弊社の創業者で、私の父である篠原勉新会長が自薦で決定。
その右腕として私が設計と現場での具体的な指示を担当。
現場大工のリーダーとして、これまた前回のリベンジにメラメラと火をともす菅谷大工。
この3人を中心に篠原工務店の精鋭若手大工7人と左官工事、電気工事等の協力業者さんとともに優勝のためのプロジェクトはスタートしました。
われわれ篠原工務店の今回の舞台となる現場は、千葉県館山市『天然温泉の人魚の宿「海紅豆」』さん。
キラキラとした南房総の海が目の前に広がり、その上には雄大な空。海の先には富士山が一望できる絶景です。
この眺望を活かした設計をすることがまず最初の取り組みです。
現地の見学には、会長と私で行きました。 「海紅豆」のご主人の要望もおうかがいし、建設予定地を見学した後、何通りかの案を考えました。
数日後、出来上がったプランを手に、再度「海紅豆」さんへ。 その日は夕方に到着しました。
するとちょうど、太平洋に沈みゆく大きく真っ赤な夕陽が・・・。
あまりの風景に声も出ませんでした。
その場で思わず、持ってきたプランを書きかえることにしました。
この夕陽の眺望が露天風呂から見えるように、お風呂の高さをもっと高い位置に設置しようと思ったのです。
そして出来上がったコンセプトが『空と海の間』
海を意識した船型の離れの宿
スタッフ誰もが納得です。
「海紅豆」さんにご説明させていただくと、充分ご納得いただけたようです。
「5日間の激闘!」
現場工事、収録は5月21日〜25日の5日間で行いました。
前回出演の教訓から
- 眺望をシンプルに活かすこと
- 若手大工を多くし、体力勝負ができること
- 技の見せ場を多く作ること
- 3時間刻みの工程表を作り、しっかりした工程管理をすること
について工夫しました。
【1日目】
晴れ
《オンエアのひとコマ》
「イケメンそろえた。」
「顔もいいけど、腕も立つメンバー。」(会長)
「頑張ろう!」
《オンエアのひとコマ》
最初に運び込み 紅白幕に包まれた2本の大黒柱。
樹齢300年の桧 磨き丸太(表面を砂や水で磨き上げた丸太)です。
丸太の差し口は機械が使えないので彫り仕事は全て手作業。
《オンエアのひとコマ》
放送では、「追い掛け大栓継ぎ」が紹介されます。
(ピッタリ接合するように同形に加工された木を木栓で緊結する継ぎ方、伝統工法)
「気持ちのいい音。」(会長)
2時間で骨組み完成
屋根貼り 船の帆を意識したR型の屋根
R型に野地板を押さえつけながらの作業。
手間の掛かる作業ですが、チームワークで短時間で仕上げる。
《オンエアのひとコマ》
「終了! あがれー!(終われー!)
(2階に)上がんじゃねー!降りろー!」(会長)
「会長がいるから気持ちが引き締まりますね。」(菅谷大工)
《オンエアのひとコマ》
【棟梁自慢の技披露:うちの棟梁は凄いぜ】
「四方追掛け継ぎ」の大工の技を会長がオンエアで披露しました。
・ 社寺によく用いられる意匠的な継ぎ方
・ 横からはめ込めるので部分的な修復が可能
※ぜひ番組ビデオでご覧ください。
【オンエアされなかった幻の”道具自慢”】
●●大工が丁寧に手入れをして永年愛用している大工道具を披露しましたが、オンエアではカットされていました。残念!
【2日目】
曇り
2日目も頑張ろう!海の前で気合入れ。
海に面した壁 きらびやかなタイル
ハンドマイクで指示をする会長
2日目から、それぞれの持ち場で奮闘する篠原工務店精鋭の大工王たち
海を感じるしかけ、アイデアをいたるところに散りばめました。
◇露天風呂の脇のスペースに御影石 ⇒岩盤浴
◇床の高さを様々に ⇒いろんな高さから空と海が見える。全ての部屋から海が見える。
◇デコボコした桧の床板 ⇒ナグリ用突きノミ削りで1枚1枚ていねいに削る。
削り面が半月状になり独特の手触りと高級感を生む。波の模様、素足で歩いたときの感覚がたまらない。
◇外壁 海から吹きつける潮風対策 塩害対策 丈夫な素材
◇漆喰風壁材 扇状に塗る ⇒波のイメージ
ルールで作業ができるのは、夜7時までと決められていました。
それから温泉に浸かって、食事です。
日中の疲れを癒すことができました。
夕食時、つかの間のリラックスタイム。海の幸を堪能しました。
【4日目】
晴れ
朝陽を浴びる「空と海の間」。完成が近づいてきました。
《オンエアのひとコマ》
「家づくりもテレビの製作も同じ。」
「心をこめて作んないとダメ。」(会長)
露天風呂に不思議なオブジェ ⇒「海紅豆」のシンボル”人魚
「バッチリですね。」(社長)
写真左側に”人魚のしっぽ”、わかりますか?
完成まであともうすぐ、真剣な眼差し。
《オンエアのひとコマ》
「仕事は教わるんじゃなくて、見て盗む。学校じゃない!」(会長)
若手社員を教える愛
《オンエアのひとコマ》
丸太の看板
「もっと下げろ!」(会長)
「それはこっちでやりますので。」(社長)
「じゃあむこういこう。」(会長)
「お~い!がんばれよ~!。こっちから見るとすごくいいぞ~!」(会長 海の向こうからハンドマイクで)
自慢の一つ、檜の丸太の看板
《オンエアのひとコマ》
壁にアワビの貝殻を貼る
「夕陽が貝に反射してきれいだと思う。」(会長)
父の背中を見つめる息子(社長)
「人をひきつける魅力があるんじゃないですか。」(社長)
「♪波の谷間に~命の花が~♪」(会長)
【5日目(最終日)】
最終日、細部の仕上げ。
波のゆらぎを思わせる柔らかな照明
露天風呂にお湯を張ると達成感を感じる。
カウントダウンとともに5日間、55時間の死闘終了
「みんながベストを尽くした。自分の技を出し切った。この満足感、達成感、これだけで充分だと思っています。」(会長)
完成した「空と海の間」の前でみんなで記念撮影
工期遅れずに、見事完成!
「ドキドキ・・・ 緊張の表彰式」
(社長の表彰式収録のときの気持ちの描写を時系列で文章にする)
樽割り
「やったー!」
収録の見学に来ていたスタッフみんなと大喜び。
《オンエアのひとコマ》
「大変なお父さんを持って、タイヘンですね。」(司会者)
「かなりキャラクター濃いですから。」(社長)
「篠原さんにとって大工とはなんでしょう?」(司会者)
「男のひのき舞台だっ!」
「空と海の間」
完成写真
桟橋を渡ると「空と海の間」
檜の入口看板
船の帆をイメージした外観
Rを描いた天井が特徴的
きらびやかなタイルの壁
船の窓を模した丸窓
丁寧に削りを入れた檜の床板
豊かなお湯を潅ぐタイルの露天風呂
圧巻の梁
海をイメージした床の間
涼しげな引き戸
人魚のしっぽがのぞくカラフルなタイル貼りの大きな露天風呂
人魚のオブジェ
高さ6mの桧の天井
木の便座
海を模した壁
ゆっくりくつろげるタタミスペース