常務取締役 篠原 重夫 (しのはら しげお)
奥さまが涙を流して泣いてしまったんです。
それだけの仕事を任せていただけることに誇りと責任を感じました。
[所属・役職] 常務取締役
[名前]篠原 重夫(しのはら しげお)
[ニックネーム] 篠ちゃん、しーや
[誕生日] 昭和29年1月31日
[星座] みずがめ座
[血液型] A型
[出身] 茨城県猿島郡境町
[入社年月日] 昭和55年
[資格・特技] 2級建築士、2級建築施工管理技士
[趣味・休日の過ごし方]
趣味は35年間続けているゴルフ。色んな人とコミュニケーションを図ることができるのと、60歳を超えても体力的に可能ということで、他の方にもお勧めしています。あとは釣りにも行きますね。よく大洗や日光に出没しています。
■仕事内容を教えて下さい
営業設計です。展示場に来ていただいたお客さまの対応やご紹介のお客さまへのご挨拶、家を作るための基本の設計やデザインなどを担当しています。
20~30年前に担当させていただいたOBさまのお宅のリフォームは、すべて私が対応しています。昔は昼はプランを作ったり、現場を見て回ったりして、夜になるとお客さまのお宅で打合せ、ラフプランを出して、2~3日後には見積りをもって再度お伺いするという感じで、一人でオールマイティに動いていました。
■この会社(業界)に入った理由はなんですか?
父(先代の篠原幸吉)が大工をやってまして、長男の会長(篠原勉)、引退した専務(篠原みつお)の3人で弟子入りして、大工をやっていました。
それまでは浦和の設計事務所や公共工事を
請け負う建設会社で現場監督をして経験を積んでいたのですが、
少しでも会社組織を大きくしてやっていきたいということで、篠原工務店に入社することになったんです。
先代が学校に行って勉強するよりも現場で覚えろというタイプで、会長と専務は中学を出るとすぐ大工修行に入りましたが、自分だけは「お金を出すから建築の専門学校に行けよ」と学校に行かせてもらったので、少しでも恩返しができたらという想いもありました。24歳の頃でした。
■「この仕事をやってて良かった」と思う瞬間は?
お客さまの奥さまに泣かれたこと、かな。
以前、夕張炭坑の仕事がなくなって、こっちへ来て工場勤めをしながら頑張って家を建てることになったお客さまがいたんです。そのお宅の上棟のとき、奥さまが涙を流して泣いてしまったんです。それまでの苦労が報われた感じだったのだろうと思います。思わずこちらまで泣きそうになってしまいました。それだけの仕事を任せていただけることに誇りと責任を感じたんです。
設計から全部やって、工事が終わって、一連の仕事が終わって「さあ、布団持って入って引っ越してください」となると、お互いに仲良くなって、 お客さまから「ありがとう。よかったよ。奥さんに花持ってって」なんて言われることもあります。さいたまの別所沼のお客さまからは、女房とペアルックのセーターをもらったこともありました。
お引き渡しの際は、それまでの追加工事など最終的な請求書を出さないとなりません。しかし、ビジネスライクにピシッ、ピシッと請求するな、もらえるものを全部もらうな、ちょっとはお土産を置いてこいって、若い人には言っているんです。「こここまではいただいて、こっちは私がサービスします」くらいのことは言える裁量がないと。でも、そうしたら、必ずお客さまは戻ってきてくださいます。やっぱりね、自分がみた現場、自分のお客さまは、可愛いんですよ。えこひいきしたくなるんです。利益、利益で100円単位まで杓子定規に請求せずとも、「損して得とれ」でやれる余裕がある会社でありたいですね。
■今の仕事で大変なところ・気をつけているところは?
篠原工務店でお願いしている大工さんは40人ほどいるのですが、大工さんが遊んでしまわないように(仕事がない状態にならないように)、大工さんの調整、段取りには神経を遣います。大工さんに「現場あとどのくらいかかる?」と聞くと、たいがい長めの日程を言ってくることが多いんです。大工さんも信用があるから、「終わります」って言った期限内に終わらないと、まずいという気持ちがあるんでしょうね。でも、仕事がなくて遊ばせちゃうと、大工さんも生活かかってるから、そこらへんも考慮しながら、上手に段取りしてあげないとないといけんなぁと思ってやっています。
あとは、どんな家が欲しいのか、まったくイメージが湧かないお客さまの要望を引き出して、プランをまとめるのは苦労します。車に例えると、セダンが欲しいのか、ワゴン車がいいのか、スポーツカーに乗りたいのか、トヨタかホンダか日産かの違いもよくわからないまま、「とにかく車が欲しい」と言っているのと同じような状態です。
でも、そうやって苦労して、「私の希望が全部叶ったわ」と言ってもらえると、やった甲斐があったなぁと思います。
■社内で「これをやらせたら右に出るものはいない」ことはなんですか?
お客さまの気を逸らさないことに関しては、それなりに気を遣ってやってるつもりです。
変におべっかを使うわけじゃないんだけど、たとえば農家のお宅に行くと、「きゅうり持ってっか? 大根持ってけ!」なんて、いただきものをすることがあります。
そうすると、若い人なんかだと、大根一本もらったって、次に行ったとき、お礼を言うのを忘れてしまう。「この前はごちそうさまでした。美味しかったっけなぁ!」と一言お礼を言うだけでも全然ちがう。ちょっとしたことで、あたりまえのことなんですけど、そういうとこは気を遣うようにしています。
あとはお客さまのことを「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ばないようにしています。たとえば旦那さんが50代で、そのご両親が70~80代くらいだったとしても、「おじいちゃん、おばあちゃん」とは呼ばずに、「お父さん、お母さん」と呼んでいます。女性はとくに「おばあちゃん」と呼ばれるのを嫌がられるので、必ず「お母さん」と呼ぶようにしています。
■今後、仕事で(もしくはプライベートで)実現したい夢は?
人材育成に力を入れていきたいですね。
なんでもスピード、スピードの世の中だけど、スロー成長でやっていける会社でありたい。
私は常々、営業は展示場に配属する前に、2~3年現場監督を経験させるべきだと言っているんです。現場のことがわからないと、まともにお客さまと話もできない。お客さまに何か質問される度に「持ち帰って担当に聞いてきます」では話が進まないし、いつまでたっても信用してもらえない。そうすると、どうしたってスロー成長になるんです。
まずは2軍で下積みを頑張ってもらってから、1軍に上がるようにしないと、即戦力の社員さんを求めるのももいいけれど、やはり若い方を育てていかなければならないと思います。同時に、将来、社長の片腕となるような幹部候補の社員をしっかり育てていかなければなりませんね。私もいつまでもこうしてやってるわけじゃありませんから。(笑)
プライベートだったら、日本一周したいですね。あ、家族は置いて、自分ひとりでね。(笑)
車で周ってもいいけど、ローカル列車の旅みたいなのもいいよね。去年、友人と北海道にゴルフに行ったんだけど、今度は九州に行こうかって話してるんだよね。どうやって行こうかとか、子どもと一緒で遠足みたいで楽しいよね。